カービングの仕方の流れを説明
こんばんわ、レザークラフトかぼちゃへっずです。
前回更新した、鯉カービングのハーフウォレットに関して、あれを作ってる時に「いつかサイトにでも書こうかなー」とか思って写真を撮っておいたのに一向に掲載するタイミングが無くてお蔵入りになりかけてた画像があったんで、ここぞって感じで出します。
カービングとは
レザークラフトにおいてカービングってのは、最初の印象だと「ただ単に革に模様がある」って印象しかなかったんですが後々色々な種類のアイテムを見てだんだんわかってきました。
要は、市販されてる量産型のモノ(ベルトにしてもバッグにしても財布にしても)は結構プレスっぽい感じなんですよね。
自分でやってないとあまりわからない部分でもありますが・・・
模様をギューって押し付けて跡をつけてるのか、それとも実際革にダメージとして残る傷を負わせて加工してるかってとこですかね。
切って叩いて押してって考えたら確実にダメージになるとは思いますが、逆にそのダメージを生かせる素材が革なんでそういった技法が生まれてるんだと思います。
んで、カービングが何かっていうと革に模様を付けて叩いて彫って行く彫刻みたいなもんだと思うと話は早い感じです。
そうなー彫刻なー
削ったりはないですが、何が大変って原画。
そう、彫る模様とか絵とかを描く事がまず大変なんですこれ実は。
例えば練習用に、カービングの本を買ってくるとなんか花があってその周りをぐるっと草がスパイラルしてるシェリダンスタイルっていう何とも不思議な模様の図案が付録でついてるとか何とかって話ですが、かぼちゃへっずは本買ってないので詳細わかりません(笑
かぼへさんは頭あんま良くないので文章で本なんか読んだって理解できない事が多くて頭ん中に???ってなっちゃうのでネットとかで調べたりなんだり・・・というか人の見たって技術が向上するわけじゃないし気になる事があったらまず自分で突っ走って実践しちゃうのが一番いいかなーと思います。
で、そのカービングで鯉のカービングをした時の事。
もちろん諸先輩方とかにしてみれば今更そんなこと書いてもと思うかもしれませんが、いつの時代にも何かを常に調べてる初心者って人が沢山いるもんです。
カービングって何ぞ!?なんで革に模様が!?なんて今となっては当たり前の事ですが、当時何も知らなかった自分も売ってる商品見てたいそう驚いたのを覚えてますしね(笑
ってことであの財布の表面の部分がどうなってるか
ちょっと軽く流れを説明しよかと思います。
カービングの流れとして大まかに、前回ちょろっとだけ書いたような工程があります。
ただ、あれだけ見ても「画像もなしに解説とな!?」ってなってしまうので、今回は画像を用意してきたってわけです。
カービングとは 「絵を用意する」
まずはカービングをやるにしろ何にしろ大事なのは、何を作るかを明確にすること。
んで、頭ん中で常に修正出来て最新の状態での完成品をどっかのビジョンに投影しておけること。
だと思います。
だので、今回に関しては
「お、お、おおお、おでは、こ、ここここ鯉をほほほほほ、ほ、彫るんだななななな」
という明確な目的があるので、まずはその鯉の絵を用意しなきゃいけません。
ってことで、色々迷いながら3日位かけて細部を修正しつつ出来上がったのがこちらの鯉の絵。
これは写しやすいようにトレーシングペーパーに鉛筆で書いてある感じです。
ちょっと胸鰭が長いかなと思いますけど、まぁそこは絵なので(笑
あと顔は気に入ってます。
なんでトレーシングペーパー買っていうと、耐水性がほかの紙よりあるため、カービングのときに便利です。
まぁ、カービング用のフィルムってのも売ってますが値段高いので、もっぱらトレペです。
今度はその絵を革に写さなければいけません
といっても、パパパッとすぐに写せるようなものではなく、ちょっとしたコツが必要です。
カービングとは 「絵を転写する」
適度に表面を濡らしてムラが無くなって落ち着いた革の上に、絵が動かないようにトレーシングペーパーなんかを貼り付けて固定します(裏側に折りこんでセロテープ止めるとやりやすいです)
そしたら、おもむろに鉄筆とか適度にとがったもの(とがりすぎてると紙破れる)で見えてる全部の線をなぞって行きます。
力入れすぎると紙破れるので、適度に。
なんか今日適度にを連呼してますけど、ほんとにこれはなれて感覚つかむしかないんです。
ってことで、線をガリガリとなぞって行けば、気が付いたら革に線が移ってるんです。
これ、実際の切りだした革に線画のみ転写したところ。
前回の記事だと詳細出てませんが、実は開いたときに左右で鯉がいる形になってます。
線だけでまだ全然しっくりこない感じですが、ここから色々と独特の技法があるんですカービングってのは。
カービングとは 「線を切り込む」
今度は写した線を、スーベルカッターとかスーベルナイフとかいう専用のちょっと刃の厚みのあるナイフを使って切って行きます。
といっても線をカッターの刃でなぞるっていう感覚に近いですが、乾いてると革が「ムギィィィ」ってなるので、線画を写すとき同様に表面を濡らしながらやっていきます。
これ、線を全部スーベルナイフでなぞった後です。
全部の線に谷状の切りこみが入ってる状態です。
あーよし終わった終わったーなんて思いたいですがぶっちゃけこれでまだ作業的には半分程度なのがカービングの憎いところです。
カービングとは 「刻印を使って叩く」
次は、カービング専用の刻印てのがあって、それを使って線に段差を付けていきます。
例えば花弁だったら向かって左の線が花びら、右の線が花の外側だったとしたら線の右側に傾斜を付けて叩いていく事で線に立体感を出す作業になります。
今回は鯉なんで立体感が出るように(背景から浮き出るように)構成と順番を考えて刻印を打っていきます。
さっきの画像をちょっと角度を変えてみたらこうなります。
上の写真だとあんまり凹凸がないように見えますが、角度を変えるとこういう感じで盛り上がるところは盛り上がって、へこむところはへこんでいるようにちゃんと見えます。
大体2mmくらい以上の革であれば結構強くやっても問題なさそうに見えますがそこは本人の力加減ですかね。
さて、カービングの作業も終盤に差し掛かってきましたが全部の線を刻印で叩いて立体感をだしていい具合まで進むと、最初の線画と比べてこんな感じになります。
左が刻印を打った後、右が何も手を付けてない線を写しただけのものです。
あーだいぶ影も付いたし立体になってきたなーと思うところまでガンガン彫ります。
うろこ1つ1つ全部彫ります。
なんでこんなもの選んだのか、まだ半分じゃないか!と途中で投げ出したくなる気持ちを抑えひたすら無心になって刻印を打ちます。
ちなみにこれは角度を変えた画像。
真上から撮ったものと角度を変えたものでは光の入り方と影の付き方が全然違うので同じものでも見え方が変わりますね。
で、最終的にはこんな感じに仕上がりました。
縫い合わせは糸ではなくて革レースで編みこんだ感じになります。
とまぁ、一連の流れを説明しましたが地道な作業で結構時間もかかるし辛抱強い人ならすぐできるんじゃないかな?と思います。
ただ、飽きてしまって何日かにわたってやるとなると最初は力のかけ具合が変わってしまったりして場所によっては刻印を打つ強さが違ってムラが出たりしてしまうので慣れるまでは簡単なものを何度も練習するって方がいいのかもしれません。
ホントは基礎としてシェリダンとかをやるみたいな事を本に書いてあったんですけど、いきなりすっ飛ばして関係ない物から興味持ってしまったので参考になるかどうかはわかりませんが(笑
どちらにしても、へーこんな風にカービングって出来てたんだと思ってもらえればうれしいです。
カービングに必要な道具
カービングに必要な道具は、何かで代用って言うことがちょっと難しいものもあります。
例えば、刃幅の角度が広いスーベルナイフや、打刻用の刻印などはなかなか他にはないので専用のものを揃える他ありません。
自作出来る人は、自作するのもアリかと思いますがいきなり作るのは結構な難易度だと思うのでまずは最低限必要な数の刻印は揃えて置くことがオススメです。
ベベラ、メッシュのベベラ、アンダーショットベベラ、ミュールフット、バックグラウンドあたりがあれば出来るかもしれません。
フローラルとかシェリダン系のカービングをするのであれば、もっとそれ専用のものがありますので必要数が増えます。
レザークラフトショップなどで売っている事が多いですが、インターネットでも簡単に手に入るのでオススメです。
一つずつそろえると大変なので、まとめてセットで買ってしまって足りないものを追加で購入の方がいいかと思います
慣れてきたり本格的に始める際にはよく使うものだけ1本1500円くらいのものを購入するという流れみたいな感じですね。
レザークラフトにオススメの商品
レザークラフトを始めるにあたってお得なセットなどが販売されています(amazonリンク)
使わない道具なども入っていますが総合的にはかなりお得です。
カービングのツールだけも購入できます
セットにも入ってるものも多いです
■革製品に関しての特性、ご注意などは【紹介・ご注意】をお読みください。
【紹介・ご注意】
■型紙から制作しているので、1からのオーダーメイド制作も可能です。
サイズや機能面から、または予算に応じたものをご提案も可能です。
ベース価格はあくまで牛ヌメ、豚ヌメを使用した場合の基準価格ですので、素材により価格は変動します。
詳細はオーダーメイドのまとめページをご覧ください。
オーダーメイドのまとめ
■素材の詳細や在庫などは下記の【カスタマイズ項目に関して】をご覧ください。
■変更可能なカラーや素材に関しては、お気軽にお問い合わせ下さい。
また、折りや曲げに不向きな素材(ワニの背中など)では制作できないアイテムもあります。
※制作している商品にはすべて刻印が入っています。
※閲覧環境により、掲載写真と実際の色に誤差がある場合があります。
かぼちゃへっずWebショップ
在庫があるものなどを販売しています。
購入できるサイトの中では再安価で購入できます。
https://shop.kabocha-heads.com/
オーダーメイド・カスタム制作
1からのオーダーメイド制作や、ハンドメイドマーケットなどに出品中の既存アイテムのカスタム制作が可能です。
下記ページにまとめてありますので、お気軽にご相談下さい。
イベント出展情報
たまにイベントにも出展しています。
イベント出展スケジュールは下記をご参照下さい。
お問い合わせに関して
使える色や素材・質問などはお気軽にお問い合わせください。
ヘビ、ワニ、オーストリッチを始めエキゾチックレザーなども多くあります。
各種アカウント
Facebookページ
https://www.facebook.com/kabochaheads/
Twitter
https://twitter.com/kabocha_heads
instagram
kabocha_heads


カテゴリー:作り方
2020/06/03 07:49
こんにちは。初めまして。
カービングされた皮の宝石箱の、内側がベージュのビロウドですが、60年の経年で、ほとんど使用せずですが、茶色く変色しています。
このビロードを新しく修理して頂くことは出来ますでしょうか?
どこの国のかは分かりません。
修理とは関係ない場違いかとも思いましたが、皮革カービングでたどり着きました。
2020/06/04 14:54
こんにちは。
実物を見てみないとわかりませんが、宝石箱そのものが木枠に革張りであったりする場合ですと一回ばらして修理しなければならないため
革の分野ではなく木工の分野での修理も必要になってしまう場合があります
革のみで作られているものであれば対応は可能かもしれません
一度お問い合わせからご連絡頂いて、写真などを見せていただければと思います